船員は毎日何をたべてるの?船内での食事と司厨長の仕事内容
早速ですが、皆さんは船員がどんな食事をしているか
ご存じですか?
船員の毎日何を食べてるか知らない人も多いと思います。
かくゆう、僕も船員になるまでは、食事は毎日、魚ばっかりという
イメージでした。the 漁師めし みたいな!
しかし、
実際には司厨長(コック)が乗っているため栄養 バランスが取れた食事を提供
してくれています。そこで今回は船内で食べられてる食事内容と船のコック(船舶料理士)の仕事を
紹介していきたいと思います。
1 司厨長(船舶料理士)の仕事とは
1-1 買い出し
(ある日の仕入れ)
司厨長ワンピースで言えばサンジのポジションですね。戦いはしませんけど。
司厨長は総トン数が大きい船 総トン数1000トン以上の船大体7~8人程度の船に
一人乗船し船員の毎日の食事を作っています。
毎日の献立や作るのや後片付け 仕入れなど基本一人でやるので
ホントに大変な仕事です。
陸上のレストランと違い毎日買い物はもちろんのこと発注もできません。
なので、荷役時間に最寄りのスーパーマーケットに買い出しに行き
大体、3~5日分の食料を仕入れてきます。台風や大時化などで避難する場合
いつ、港に着けるか分らないため仕入れも凄まじいものがあり
バナナが入ってる箱 通称バナナ箱で8ケースくらいを船の積み込みます。
更に他の船員は荷役中、あまり買い物に行けないので司厨長に頼みますので
更に仕入れが増えます。それをタクシーで持って帰るのですが呼ぶタクシーは
2台です。
一台は仕入れたバナナ箱をトランクに積みあと1台に残りのバナナ箱と
自分が乗り船にもどります。
それを、船の冷蔵庫にしまうのに時間も体力も使うのでそー言った日は
必然的にお弁当になります。
1-2 献立作成
船員の1回の乗船任期は3ヶ月なので司厨士は、
毎日飽きが来ないようなメニューを作り尚且つ、栄養とバランス
にも配慮したメニューを考えなければいけません。
船員の好きな物 嫌いな物もありますが、全員の好みに合わせるのは
ムズカシイため、そこは良い塩梅をめざします。
司厨士の方にもやはり評判が良いひとや悪い人もいたりするみたいです。
評判が良い司厨長に当たるとレストランさながらの料理を提供してくれたりもしますので、なかなか食事が楽しみになりますね。
1-3 時化の時
時化の時はホントに船がかなり揺れます。
調理している鍋が激しい揺れで飛んでいったり。。。
なので、時化の航海中はすぐ作れておいしい簡単な物を出しています。
昼食時ならカレーライスだったり
夕食時なら魚の干物とかですね。仕入れに行った日なら惣菜もつかいます。
因みに、僕は司厨長なのですが
仕入れの時にあらかじめ、時化を想定したメニューを3品くらい決めてます。
時化の時は揺れもそうなのですが、揺れっぱなしの船内で食事を作るのは
かなり体力が要りますので、切るだけとか焼くだけのメニュー構成にしていますね。
あと、なんかやる気が出ないと言うときにも使えますよ。
おいしい料理をつくるのが仕事なんですけど3ヶ月毎日となると
きつくもなってきますので分らない程度に手を抜く事も必要ですよ。
1-4 船上焼き肉party
やっぱり肉が好き
若い船員は肉が好きですよね。
僕も好きです。
早い時間に停泊したら船員みんなでホットプレートで
焼き肉のはじまりです。
そんなときに、20代~60代の船員みんなでワイワイ、飲みにケーションですね
2 あるときの献立
朝ごはん
朝は大体、干物と目玉焼きの2種類を出しています。
それに、かまぼことか、明太子を添えてます。
今回は昨日の残りのコールスローを添えてます。
2種類出す理由は
選ぶ楽しみと、
在庫を分散して出すことで特定の材料の消費を抑えること。
おひるごはん
味噌ラーメンと餃子 定番ですね。賞味期限ギリギリの厚揚げ乗せ!!
お昼ご飯は
荷役で外で作業がおおいのでパッと食べれる麺類が人気ですね。
ご飯類も、もちろん作りますがご飯類はお腹に溜まりすぎて
動けなくなるというひとも多いので
6:4位の割合ですかね。
よるごはん
本マグロとイサキの刺身
ソイの煮付け バカ貝の煮付け
肉なしゴーヤチャンプル
夜は晩酌する人もいるので1品はつまみになる物を出しています。
今回は新鮮な魚貝を仕入れたので魚づくしになりました。
ある日のよるごはん
ローストビーフ。
以前ステーキを出したブロックで仕入れて残った分を
ローストビーフにしてみました。
少し火の入りが甘かったかな?
2-2 番外編
そうそう、真夜中の航海中にデッキにトビウオが
乗ってきたりします。
そういったとき、発見した人が今晩のつまみとして
キッチンに持ってきます。これも大事な食料ですね。
少し干からびてるトビウオ。。。
でも、全然刺身でいけますよ。
3 キッチン(ギャレー)のこと
船では調理場のことをギャレーと言います。
ギャレーとは英語で 船や飛行機 列車などの調理場のことなんですね。
そのギャレーを一部紹介します。
ちょっと汚いですが、僕が乗ってる船のギャレーです。
タンカー船は火気厳禁のため電気コイル式です。
コイルの上に鉄板を引いてその上で調理していきます。
この、鉄板がなかなか熱くならなくてスグに調理開始ができません
なので、
熱くなるまでの30分くらいコーヒーを飲みながら待ってからのスタートになります。
寝坊したときはスグ調理出来ないためメチャクチャ焦ります。
ですが最近はこの電気コイル式を使ってる船は少なくなってますよ。
今はどの船もIHヒーターを使ってるのでスグ調理開始できますね。
僕の船にも付けてほしいです。
本日のまとめ
いかがでしたか?
船員は魚ばかりではなかったでしょう?
確かに、魚の方が好きな人もたくさんいるのですが
若い船員は肉が好きです。
今日はステーキといったら目が輝いてます笑。
2~3ヶ月過酷な労働をする船員にとってご飯はなによりの楽しみなのです。
美味しく 見栄えがよく 明日への活力になる食時は
船員の楽しみの一つです。
司厨長は基本的に皆が休んでるときも仕事があるので
自分で管理が必要です。
なので、食材の仕入れ時には自分が楽をする献立も考えておくことも
大切な事です。毎日、100%では長い航海を乗り切れませんので。
長い航海中はストレスをため込まないように息抜きしながら
やったほうがいいですよ。